ジーナとセルジュは近道をしようと森を横切って逆に迷ってしまった。
普段は方向に自信のあるセルジュも薄暗い森の中では方角の感覚がつかめず二人はさまよい歩いた。
夜になって明かりを見つけ、それに誘われるように向かうとそこには小さな村があった。
二人が一夜の宿を乞うと彼らは快く二人に泊まるところを提供した。
二人にささやかな食事と酒が振る舞われ二人は戸惑いながらも彼らの歓迎を心から楽しんだ。
村人と話していて気づいたのはセルジュをというか魔族を神とあがめる教えを広めている集団で、街で異端者として迫害を受けた彼らは教えを子孫に残しながらそこで暮らしていたのだったのである。
彼らは魔族と人間の間の子であるジーナに興味を持ち、また、セルジュの事についてもいろいろと訪ねてきた。よったジーナは多少酒が入っていたせいか、口も軽くなりセルジュとの事、主人になった経緯、どうして旅をしているかなど話す。
それを聞いた彼らがどう思うかも気づかずに…。
夜も更けて、二人は別々の家に寝泊まりをするように進められる。二人分のベッドを要している家がないためだ。
そして翌日。
ジーナに与えられた部屋はもぬけの殻だった。
セルジュは心配になって村の中を探す。今まで一時たりと彼女と離れた事がないのだ。
それが使い魔としての使命だと思っていたし、何よりもセルジュ自身が彼女から離れたくなかったからだ。
途中、村人にも聞いてみるのだが、誰しも「村の回りを散策されているのではないですか?しばらく村に滞在をしていればきっと戻ってきますよ」などとあまり彼女を捜そうとする意志が見受けられない。
ひょっとして彼女が自分を見限ってこっそりと村人の協力を得て村から出ていったのではないかという考えも一瞬湧いたが、彼女は自分がいなければ屋敷に戻れない事も、仕事を取る事も出来ない事は知っている。だからそれはあり得ない。しかし、村人の様子を見てみると何かを隠しているような気もするのだ。
頭を弄ればすぐにでも確認が出来るだろう。
しかし、頭の中を弄るのは主人であるジーナから禁止事項にされている。
最近ようやく自分にわずかながらではあるが笑顔を向けてくれるようになったのに
彼女に使用した事を知られてまた、前のような関係に戻るのが彼にとっては何より恐ろしかったのだ。
セルジュは村人に説得をされて仕方なく部屋でいらいらしたしながら彼女が戻るのを待った。
昼になっても戻ってこない。だんだんとセルジュは不安になる。
彼女が帰ってこなければ自分の中の魔力も心許なくなる。元の世界に強制的に戻されてしまう。彼女と一緒にいれば十分な魔力を供給されるが、離されているいまは徐々にではあるが確実に自分に与えられた魔力がなくなっていく。彼女と一緒にいたいがために魔族としても、使い魔としても外道な事をしたのだ。このまま彼女が見つからなかったら自分はどうしたらいいのだろう。
セルジュは考えを決めた。
明日までに彼女が見つからなかったらその時は彼女にどう思われようとも構わない。
村人の頭を弄ろう。
ノックの音で頭を上げるといつの間にか回りは暗くなっていた。
家のテーブルに食事も置かれていたのに今頃になって気づいた。
「…セルジュ様」
村の代表が扉を開ける。
「私どもの心づくしのプレゼントを用意いたしました。受け取って頂けますでしょうか?」
何をいうのだろう。この村に来てから至れり尽くせりのもてなしばかりで自分はもう何ももらう気も、してもらう気もない。
セルジュが断ろうと口を開くと代表の後にジーナの姿が見えた。
「ジーナさん!」
セルジュは納得をした。
心配をしている自分の為に村人が彼女を見つけだしてくれたのだ。
「ありがとうございます。ジーナさんを見つけてくださったのですね」
セルジュは低調に礼を言うと彼女に近づいた。
「ジーナさん。どこに行っていたんですか?心配したんですよ」
彼女は彼に抱きついてきた。今までそんな事をされた事がなかったセルジュは驚くが、心配をかけたセルジュに対して申し訳ないと思ったのだろう。
「ジーナさん…」
「…ごめんなさい…私…」
うつむいて震える声を出す彼女の頭を優しく撫でる。
「いいんですよ。無事に戻って下さったのですから。さ、部屋に戻りましょう。心配ですから今日は一緒の部屋に寝てください。私が床に寝ますから」
セルジュが彼女を中に誘うと後から代表が彼女に一言声をかけた。
「ジーナ。あなたのしなくてはいけない事はわかってますね?」
「……はい」
「ではご奉仕して差し上げなさい」
「…わかりました」
彼女は返事をすると膝立ちになり、セルジュのズボンを脱がしはじめる。セルジュは驚くがジーナは手慣れた様子でそこから彼の逸物を取り出すと淫猥な笑み彼に見せた。
「はぁ…これがセルジュ様の……ご奉仕させて頂きます」
「ジ、ジーナさん!」
セルジュはジーナの豹変に驚き固まっていると彼女は彼の逸物に舌を這わせた。ねっとりと絡みつくように舐める彼女の舌技はとても男性経験をした事がない彼女のものだとは思えないほどだ。
「はぁ…すごい…こんなに立派な…はぁ…んっ…」
ぺちゃ…ぺちゃ…
「ジ、ジーナさん…どうし…たのですか…こんな…事…」
彼女を剥がそうとしたいのだがあまりの快感にそれを忘れそうになる。
「セルジュ様。私共の心づくしのプレゼントです。セルジュ様と関係を持ちたくないなどと、この者がいうので自分の立場という者を身体に教え込ませたのです」
「教え込ませた?」
「ええ、少々急ぎましたので薬や、魔法も使いましたが今はあなた様に身体を求められるのが当たり前だと思うようになって頂きました。どうかお納め下さい」
「…では彼女の姿が見えなかったのは彼女を私の為に調教していたというんですね」
「ええ、最初は泣いて嫌がっていましたが、処女を媚薬付きの器具で破りましたら途端に素直になりましてね。気持ちがいいという物ですから、セルジュ様に抱かれればもっと気持ちがいいと教えてやりました」
「………なんて事を…」
「セルジュ様?」
「あなた方は何て事をしてくれるのですか。私の主人を…」
「魔族に敬意を払わない者など主人と呼ぶのもおこがましい。そのような者は立場というものを教え込まなくては参りません」
「私はその様な事はして欲しいとは思っていませんでした。いつの日か、彼女と心が通じ合えばそれで…」
「セルジュ様…お願い…私…」
ジーナが話に割ってはいる。怒りを静めようと言うのではなく、スカートをまくり自らの秘部を露わにしてそこに挿入して欲しいと媚びをうっているのだ。そこはすぐにでも彼を受け入れる事が出来るほど愛液が溢れていた。
「はしたない私のここに…セルジュ様のモノを入れて下さい…私…」
「セルジュ様、さあ、入れて差し上げて下さい。彼女はまだ、本当の意味で男を知りません。セルジュ様に貫かれる事を期待をしてあのように濡らしておるのですよ」
「…ジーナさん。申し訳ありません…」
「え?」
彼は彼女に手を翳すと、途端に床に崩れ落ちた。
「セルジュ様。どうなさったんですか?何か気に入らない事でも?」
「ええ、気に入らない事だらけです。彼女を元に戻してください。私は、魔法や薬などと言った手段で彼女を得るきはないのです。そんな事をしなくても私には頭を弄る術を持っているのですから」
「元には戻せませんよ。ひどく暴れたので薬も、魔法もかなり強い物を使いましたから。しかし、彼女はセルジュ様に絶対服従ですから何も問題はないではないですか」
「…あなた方には人を恋する気持ちというのがわからないのですね。私は今、猛烈に怒っているのです。私は嫌われていたとしても彼女が好きでした。自分の力で振り向かせたのならともかく、邪道な手口で彼女をこのように変えてしまって。そんな事をしたあなた方にはもう二度と会いたくもありません。消えて頂きます」
「…え?」
彼はそう言うと呪文を詠唱する。詠唱が終わると、きらきらとした光が天から降り注ぎ始めた。それを確認するとセルジュは床に寝転がっているジーナを抱き寄せて自らと、彼女の周りに魔法の膜を貼った。天井からの光が肌に触れるとそこから砂のように崩れていきその村にいる生き物すべてが肉色の粉になっていった。ただ、セルジュとジーナを除いて。